北海道大学寮歌祭 資料

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大正十二年寮歌
春雨に濡る

高橋 北雄君 作歌
西田 貫道君 作曲


 春雨に濡るアカシヤ花
 街路の灯はなやかに
 地は銀鼠にたそがるる
 寂かに歩む若人が
 心にめざむ爽かの
 灑み充てる力かな


 夏の入陽に砂丘の
 臘虎の骨に鴎飛ぶ
 融けざる銀の山脈は
 碧薄れゆく空にうく
 名残の光身にあびて
 異郷の方を思ふかな


 灰青白き白樺や
 落葉ふむ音寂しくも
 谷また谷を辿り行き
 今宵は淡き夢見んと
 焚火を囲み歌ふ寮歌
 紫紺の闇に解けて行く


 青き空透き銀の月
 石狩の河波光る
 雪の野限は靄こめて
 灯漂ふアイヌ小屋
 琥珀の酒を汲み交し
 王者の誇偲ぶかな


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