PC用トップへ

大正三年寮歌
我が運命こそ

樋口　桜五君　作歌
赤木　顕治君　作曲

一
　我が運命こそ青渦わける　
　千ひろの海の真珠取り
　美想にあこがるる身は
　驕楽の春に酔ひしれて
　戯る人を夢とはみつつ　
　逆まく波を闡きゆく

二
　永遠に華さく水底ふかく
　神秘の厳に嫦娥の
　露のしづくの真珠またま
　掌に獲し光栄と喜悦と
　七重の潮の妙音にひびく
　美珠こそわれの生命なれ

三
　薫る樹影に花仄みえて
　朧おぼろの春の宵
　一壺の酒の汲む夢淡く
　心の酔に舞歌を
　社会高くしらべ祝はむ
　君瑞祥の歳なれや

四
　彩雲低く恵の家に
　幸漂蕩ひてゆく水や
　姿うるほす柳の萌黄
　契りゆかしき春鳥の
　団欒の音をばうつし伝へむ
　遠くはるけき師の君に


　8.寮歌集へ戻る

　9.トップへ戻る