北海道大学寮歌祭 資料

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昭和十七年寮歌
春来にけらし

橋爪 秀雄君 作歌
杢子 一雄君 作曲


 春来にけらし白雪の
 厚き衣や重からん
 綾羅の糸も綻ろびて
 朧々深き五月闇
 楡影揺めく鼓々の音に
 夜霧に蒸せる緑酒汲み
 挙りて踊る楡の精


 草茅しげき原始林かげに
 聖き焔を囲みつつ
 若き情熱は求むれど
 人生誰かよく解かん
 たが真なる愛に泣く
 寮友の姿の清ければ
 春宵の罪と誰か言う


 春秋糸も限りなく
 文月の夢は織女星の
 あはれ手稲の衣かな
 山の端深くたそがれて
 今宵銀河の祭日の
 永劫の空を眺むれば
 天空流る星一つ


 雨月の濁流滔々と
 豊川に聞く世に憂
 泥潦沈み真清水の
 流るる秋は見ざるとも
 墳墓の土を清くせん
 戦の庭を高らかに
 七つの海の潮音よ


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