北海道大学寮歌祭 資料

PC用トップへ

明治四十二年寮歌
希望の光

加藤 茂雄君 作歌
金原 義知君 作曲


 希望の光仰ぎつつ
 思へば友と尋ね来し
 山は紅朝日子の
 燃ゆる姿に似たる哉
 嘶く駒は秋に肥え
 我等が門出栄ありき


 ああ冬寒し北国の
 大野の果を眺むれば
 雪かあられか空たえて
 限りは知らず暮るとも
 我等が胸に黙想あり
 星の光に啓示あり


 黙想を胸に結ぶ時
 啓示を空に望む時
 見よ下萌ゆる若草の
 息吹さやかに風薫る
 春は来れり春は来ぬ
 物皆此処に力あり


 春の光の照る所
 色を交へて咲く花に
 蝶舞ひ鳥は囀りて
 我等が血潮躍るなり
 斯くて見渡す行手には
 光蔽はん影もなし


 深く霞に鎖されて
 都の様は知らねども
 夕孤雁の声聞けば
 人太平に眠るとや
 吹雪に練りし双の腕
 鳴るよ常磐の夢醒ませ


 四年の昔人々の
 耘り建てし我が寮に
 春立ち還る時よ今
 希望の光新なり
 されば起て友緒共に
 我等起つべき時なれば


 8.寮歌集へ戻る

 9.トップへ戻る