北海道大学寮歌祭 資料

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明治四十一年寮歌
大虚の齢

田中 義麿君 作歌
早川直瀬君・前川徳次郎君作曲


 大虚の齢は知らねども 
 興廃うつる人の世の
 文化の跡は四千年
 ありし往昔を温ね来て
 我が世の状態を眺むれば
 希望栄ある前途かな


 嘗てナイルの河水に
 偉影涵せし金字塔
 アテネの春も夢なれや
 ローマの紅紫また散りて
 欧米の空今正に
 文化の花ぞ盛なる


 偉大ならずや雪潔き
 ヒマラヤ山下風薫り
 四百余州に吹き入れば
 聖賢雲と叢起して
 深き思想は東洋の
 青史不朽の誇あり


 今東海の一孤島
 文化の潮寄せ来り
 東西の岸を洗ひつつ
 高き響を伝ふなり
 孤島にこもる国民の
 指名などかは軽からん


 既に天地の利は獲たり
 人和豈それなからんや
 満韓の原遺利多く
 アルゼンタイン野は広し
 故人の教訓聴かざるや
 ビーアンビシャスボーイズと


 猛き心の往くところ
 虎狼鮫鰐ものならず
 テキサス鍬を入るる可く
 シベリヤ斧を振ふ可し
 故人の教訓膺にせよ
 ビーアンビシャスボーイズと


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